ライフスタイル
2018/01/15

空き家問題解消の一助になるか?空き家バンクと活用事例

(写真=Kunkie99/Shutterstock.com)
(写真=Kunkie99/Shutterstock.com)

経済成長などの将来予測というのは、なかなか正確には当たらないものですが、人口に関する将来予測は精度の高いものになりつつあります。日本の生産年齢人口は、1995年をピークに減少を始めており、国内総人口も2008年をピークにして既に減少に転じている状況です。

総務省統計局の「平成27年国勢調査就業状態等基本集計」によると、2015年の総人口は1億2,709万4,745人、うち15歳~64歳人口は7,628万8,736人です。また、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口 平成29年推計」によりますと、総人口は2040年には1億1,092万人、2065年には8,808万人との予測が出されており、今後も人口減少はさらに進むことが予想されます。

こうした状況は、住宅にも大きな変化を具体的にもたらし始めており、全国で空き家の増加が大きな問題になってきています。空き家の放置は地域の荒廃を加速するだけに、放置することはできず、現在空き家問題解消のさまざまな手立てが講じられるようになってきています。

今回は空き家問題の状況や、その解決策として注目されている、「空き家バンク」について活用事例などを見ていきましょう。

深刻化する国内での空き家増加

国内の空き家は、ここへ来て激増し始めています。日本全国の空き家は、2013年時点で既に820万戸を記録していますが、現状ではさらにこれが増加していることは明らかです。これまではそれほど目立たなかった空き家も、各地で徐々に増加しており、地域の活性化のためにも大きな障害となりつつあります。

このまま空き家を放置しておけば、荒廃がさらに荒廃を呼び起こすことにもなりかねないだけに、確実な対策が求められる状況になってきています。

一方で都会にこだわらない働き方の多様化も登場

空き家の進行は、都心に近い東京都下でも進行中で深刻化しており、地方ではさらに厳しい状況になりつつあります。その一方で、趣味やライフスタイルの多様化から、都心での生活にこだわらずに地方で戸建ての住宅に住みたい、といった潜在的な戸建ての需要が存在するのも事実です。

こうした需要にマッチするような供給が図られれば、地方における戸建て物件の利用がより活性化することが期待できるでしょう。

全国の空き家を空き家バンクとして公開する動きも

このような状況を打開するため、全国各地の自治体では空き家バンクを設立し、移住希望者に積極的に情報提供したり、地域での利用者を募ったりと、対策に乗り出しています。地方自治体であれば、物件の状況はつぶさに把握することができますし、移住促進策などとセットで都会からの移住者を獲得することも可能です。

また、最近では自治体のみならず、民間企業もこうした事業に乗り出す動きが出始めています。確実な需要がある人々に正しく情報を伝えることができれば、まだまだ空き家は活用の余地があることも分かってきているのです。

空き家バンクの具体的活用事例

空き家バンクの利用では、実際にいくつもの成功事例が出始めています。

まず、賃料を極端に安くする代わりに借主が物件をリフォームできる、いわゆるDIY型賃貸には多くの賃貸の需要があり、空き家が有効活用されるようになってきています。これは、国土交通省がDIY型賃貸借の契約書式を公開したり、ガイドブックを配布し始めたりしたことから、地方自治体でもそれに沿った取り組みが行われています。また、UR都市整備機構にもDIY型賃貸の物件が登場し始めています。

このように空き家を有効活用することで、シェアハウスとして賃貸して毎月安定収入を確保することができるようになった事例も出始めています。こちらは場所次第ではありますが、単なる賃貸から発想を転換することで、賃貸の需要を掘り起こすことに成功した事例といえるでしょう。

さらに、民泊という制度ができたことから、古民家の空き家を宿泊施設として提供することで、外国人などの観光客需要を掘り起こすことに成功するケースも出始めています。こうした空き家バンクの利用は、あくまでも物件の状態によりけりとなり、一律に活用が成功するとは言えません。ただ、利用の視点を変えて市場に提供することによって、十分に価値を認められるケースが増えていることが分かります。

今後はますます空き家問題の深刻化が予想されるだけに、有効利用の手立てを多く見つけられるようにすることが重要になりそうです。

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