投資・運用
2017/10/26

話題の仮想通貨。投資としてのメリット、デメリットを説明

(写真=REDPIXEL.PL/Shutterstock.com)
(写真=REDPIXEL.PL/Shutterstock.com)
「ビットコインはチューリップのようなものだ」とは、ECB(欧州中央銀行)のコンスタンシオ副総裁が2017年9月22日にドイツで開かれた欧州システミックリスク理事会で述べた言葉です。

この発言自体は、会議に同席したオランダ出身の参加者にちなんで、17世紀オランダのチューリップバブルを引き合いに出したものですが、ビットコインを始めとする仮想通貨に対して否定的な態度をとる金融関係者は少なくありません。

2017年に入り、価格が高騰したことで一段と注目を集める仮想通貨ですが、果たして投資の対象として適格性はあるといえるのでしょうか。今回は、仮想通貨の概要とその投資対象としてのメリット、デメリットを紹介します。

そもそも仮想通貨とはどのようなものか


仮想通貨は、法定通貨ではないものの、送金や決済の機能を持ち、通貨のように利用される電子記録を指します。仮想通貨にはさまざまなものがありますが、多くのものに共通する特徴としては、ブロックチェーンをベースとし、中央集権的な管理者がおらず、P2P(ピア・トゥー・ピア)で処理されるなどの点が挙げられます。

ブロックチェーンというのは、連綿とつながるブロック単位の中に複数のトランザクション(取引)を記録した電子データです。このデータを管理する特定のサーバや中央銀行のような権限者は存在せず、ノードと呼ばれるネットワーク参加者のプログラム間で共有されることによって取引記録が正当化される点がP2Pと呼ばれる所以です。

仮想通貨にはどのような利点があるのか


管理者が存在しないがゆえに、政府や中央銀行などによる恣意的な介入がない点、送金および決済にかかる手数料が少額で済む点、送金規制などの障害をクリアできる点などから、既存の法定通貨を代替する可能性を秘めています。技術的な優位性が評価されているのはもちろん、分散型という設計が思想的に支持を受けているという面もあります。

また、決済手段としての利用だけでなく、仮想通貨の基盤技術となっているブロックチェーンを応用したサービスにも期待が寄せられています。ブロックチェーンの不可逆的な性質に着目し、不動産登記や商業登記、公証サービスとしての活用が考えられるほか、契約の締結から履行に至るまで人間が介在しないスマートコントラクトへの応用も広がりを見せています。

投資対象としての特徴


投資対象と考えた場合の仮想通貨の魅力は、やはり価格が右肩上がりで上昇していることが挙げられるでしょう。例えば、時価総額でシェア1位となっているビットコインは、2009年に運用が開始されたときには1BTCあたり1円にも満たない価格で取引されていましたが、2017年8月には50万円にも達しています。10万円前後で推移していた2017年1月に投資したとしても、数ヵ月で資産が5倍になった計算になります。

しかし、仮想通貨は価格のボラティリティ(価格の変動率)が高すぎるという難点があります。例えば、2017年8月末時点におけるビットコインのヒストリカル・ボラティリティ(63日平均)は76.27%となっています。短期的な価格変動を狙いにいくタイプの投資家にとっては好都合な面もありますが、安定した運用を目指す投資家にとってはリスクが大き過ぎるという評価になるでしょう。

また、仮想通貨の世界は玉石混交であり、新興通貨のリリース後に価格が二束三文になってしまう事例は枚挙にいとまがありません。現在、主要通貨と言われている仮想通貨に関しても例外とは言い切れません。通貨に何らかの脆弱性が発見されたり、新たな規制や別の技術革新があったりした場合に価格が暴落する可能性は十分考えられます。

仮想通貨投資に必要な考え方


複数の仮想通貨に少しずつ投資しておけば、その中から価格が高騰する通貨が出てくるといった投資方法も考えられます。しかし、手当たり次第に投資するというのは賢明とは言えません。仮想通貨投資に必要な考え方としては、仮想通貨自体に革新性があるか、将来有望な技術やサービスに関連付けられたトークン(代用通貨)であるかという視点を重視することが挙げられます。

たとえば、イーサリアム(Ethereum)はスマートコントラクトやDApps(分散型アプリケーション)を構築するためのプラットフォームとして有望視されているからこそ、プラットフォーム上で利用されるトークンであるイーサ(Ether)が価値を持つことになります。また、リップル(Ripple)は送金取引の処理が速く、各国金融機関の注目を集めている仮想通貨であることから、時価総額で大きなシェアを持つようになりました。

このように、将来的にもその仮想通貨の技術や機能が世の中から必要とされるのであれば、投資資産としての安全性も高いということができます。しかし、仮想通貨を取り巻く環境はあくまで流動的です。

2017年9月、中国は突如として国内でのICO(Initial Coin Offering)禁止を発表しました。新たな仮想通貨の発行あるいはトークンを活用した資金調達を意味するICOに関しては、各国の規制当局が神経をとがらせているところでもありました。同時に、中国では仮想通貨取引所も運営停止を余儀なくされています。

これらの影響により、上昇を続けていた仮想通貨の価格は一時的に落ち込みました。仮想通貨投資において、このような動向に対して常に注視しておく必要があることだけは確かなようです。

北川 ワタル
監査法人にて上場会社、ベンチャー企業、金融機関などに対する監査やアドバイザリー業務に従事したのち独立。会計士、税理士業務のほか、WEBメディアや書籍の執筆、監修にも精力的に取り組む。


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