投資・運用
2017/10/26

日本はまだまだ魅力的な市場!?世界の主要都市の不動産利回り

(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
「アパート融資 過熱警戒」などの新聞記事を目にした人の中には、日本の不動産市場がバブルを迎えているように思う人もいるかもしれません。しかし世界と比べてみると、まだまだ過熱というには早いということがわかります。

東京の不動産市場の状況


日本の不動産価格は上昇傾向にあります。国土交通省の「不動産価格指数(平成29年4月・第1四半期分)の公表」によると、2017年4月における東京都の住宅総合指数は2010年平均の117%。2013年初頭から右肩上がりに伸びています。中古マンションは特に顕著で133%です。公益財団法人東日本不動産流通機構の「月例速報Market Watchサマリーレポート2017年8月度」によると、東京都の中古マンション成約価格(平米単価)は59ヵ月連続で前月比を上回っているということです。

売買価格が上がるということは、投資利回りは下がるということです。価格と違って賃料はすぐに上がらないからです。株式会社三井住友トラスト基礎研究所がREITのデータをもとにまとめた住宅のキャップレートは2010年初頭2016年初頭にかけて、2割ほど縮小しています。

価格上昇の背景としては、金融緩和によって貸し出し金利が低くなったため、融資を受けやすくなったことが考えられます。

アジアを中心とした海外の不動産市場


低下傾向にある東京の不動産投資利回りですが、あくまでも過去との比較の話です。海外と比べると、相対的にはむしろ高いほうだということがわかります。

みずほ総合研究所 の「リサーチTODAY(2016年7月15日)」によると、2016年初頭のオフィス市場を中心としたイールドギャップは東京が約3.0%。4%超のフランクフルトと約3.5%の上海には負けますが、2%前後のロンドン、ニューヨーク、シンガポール、香港を大きく引き離しています。

物件価格をみると、東京の上昇ぶりは世界と比べるとだいぶ緩やかです。一般財団法人日本不動産研究所の「国際不動産価格賃料指数」では2010年10月を基準にしたマンション価格の騰落率を発表しています。

2017年4月時点で東京は113%、香港143%、上海163%、ロンドン164%、シンガポールは93%。東京とシンガポールを除いて、非常に激しく上昇しています。購入価格が上がることによって、利回りはさらに下がります。マンション価格を横断的に比較すると、東京を基準にしたときに香港192%、上海134%、ロンドン228%、シンガポール111%。いずれも東京を上回っています。

アジア各国では、日本(東京)とシンガポールの可処分所得は群を抜いています。香港や上海などでは一般的な家庭がマイホームを持つのは難しく、不動産価格を形成するのは実需よりも動きの激しい投資マネーが主流になるでしょう。これらの地域では不動産投資が過熱ぎみというべきかもしれません。

現状、東京の不動産市場はアジアや欧米の各国に比べるとまだ割安だといえます。

東京の不動産投資利回りにはまだまだ伸びしろがある


各主要都市の不動産価格を中心に、市場の雰囲気をみてきました。将来性を考えたときに、東京の潜在的な需要はどうなるでしょうか。

賃貸需要は、まず人口ありきです。住む人が多ければ多いほど、不動産投資の市場は拡大します。

国連が発表した世界の都市人口は、2016年時点で東京が1位。2位のデリー(インド)の約1.5倍と、大きく引き離しています。さらに増加傾向にあり、東京圏では1995年以降、転入超過が続いています。国勢調査によれば2010年から2015年の5年間で東京都の人口は36万人増えているということです。

経済規模からみても世界トップの東京。不動産投資の利回りが低下傾向にあるのは事実ですが、世界と比較するとまだまだ魅力的だといえます。

利回りが高く、将来性もある日本の不動産投資市場


東京の不動産価格は上昇傾向にあり、それに応じて投資利回りは下がりつつあります。世界に目を向けると、香港や上海などアジアの主要都市における不動産市場は過熱ぎみで、利回りも東京を下回ります。人口や経済力などの将来性からみても、日本の不動産市場は海外に比べて魅力的といえます。

ファイコロジスト山田
金融・投資・キャリアが専門のフリーライター・編集者。不動産投資を中心として、株式取引や為替、相続、仮想通貨、キャリアプランなどお金に関する内容を主に、書籍の執筆協力やインターネット記事など幅広く活動中。2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP。


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